2011年7月11日月曜日

炎天のエコーズ


1971年 Pink Floyd 『Meddle』

「Echoes」

誰も 俺に子守唄など歌わない
誰も 俺を眠らせようとしない
だから 俺は窓を開け放ち
空の向こうのお前にへ呼びかける

長い曲で24分近くある、とてもビジュアル的な曲だ。
ドラムの音がとても心地いい。
心臓の鼓動のようだ。

暑い1日だった。
午後2時、冷えた部屋から意を決して20年以上通ってる床屋に向かった。
日射しがとても強く目を焼いた。
空は青く、夏の雲が遥か彼方に白く浮かんでいた。

意外と風があって気持ちがよかったので、光が丘公園まで足を延ばした。
途中でビールを3本買い、木陰のベンチでiPodを聴きながら飲んだ。
目の前はトラックのある運動場で、この炎天下に走ってるひとが4人いた。
東京練馬の最高気温は36度だったらしい。

牛乳バックを抱えた小さな子どもがかけてきて転んだ。
白い牛乳はまたたく間にトラックの土に吸い込まれていく。
小さな泡がいくつもできて、しだいに消えた。
トラックを走ってるひとが何百人にも増えてスピードを競ってる。
短距離競走のようにもの凄いスピードだ。
黒人ランナーがトップを走る。
アメリカンバッファローの群れがビルの谷間を砂煙をあげながら向かってくる。
牛乳がこぼれトラックに吸い込まれていく。

ビールを2本空けたところでまどろんでいたらしい。
汗がいく筋も首を流れている。
トラックを走るひとは、ひとりもいなくなっていた。
牛乳は跡形もなくトラックに吸い込まれ、風は止んでいる。
iPodからはピンクフロイドのエコーズが流れていた。

床屋のオヤジが言う。
夢は50%ぐらいがいいんだよ。
叶っちゃったらおっかないと思うね。
床屋のオヤジの夢は自然の中で自給自足で暮らすことらしい。

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